ボクが260万円借金するまで PR

ボクが260万円借金するまで(1) – 引っ越し

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

きっかけは、引っ越しでした。

先の記事でも述べたように、ボクの実家は少し裕福で、その上お金に関してたいへん甘やかしてくれていました。

ところが、就職してからも大学時代のサークル活動に顔を出したり、大学近辺の地域行事で働いたりしていた上、泊まり勤務ばかりのボクは、家に帰ると疲れ果ててただ寝てしまうだけのような生活でした。
当然そのような状態では、ボクの部屋は加速度的に「汚部屋」化していきましたし、一部衣類は部屋の外の廊下にまで出て行ってしまう始末。
さらに悪いことに、ボクはその部屋を中学校入学くらいの時点から使っていましたが、実のところ、亡くなった父の部屋に半ば強引に住み着いたようなもので、きちんと家族から領有権が認められた経緯はありませんでした。

そのような経緯と生活が災いし、家族とボクの仲はだんだん険悪に。
母は常にボクに「部屋を片付けろ」「物を整理しろ」ばかり言うようになっていました。
弟はボクの存在が気に食わないようで、ボクと食事で同席することはまずありませんでしたし、話しかけても気のない返事しかなく、リビング等にいるときにボクが帰宅すると、とっとと自室に引っ込んでしまうような状況でした。
さらに悪いことに、ボクが小学生の頃からかわいがっていた愛猫が大学を出る頃に亡くなってしまったのですが(乳がんみたいな感じ、とてもかわいそう)、その後やってきた新たな猫がまったくボクになつかず、ボクは帰宅する度にその新しい猫に威嚇されるようになってしまいました。

そんな、住んでいてまったく精神的に休まらない自宅に疲弊してしまったボクは、秋に母とケンカしたのをきっかけに(「できる限り入らないでほしい」と言ってあった自室に母が奥まで入り込み、しかもその時みた物事についてボクを罵るメールを送ってきたため発生)、「家出」することを決めました。
経済面ではたいへん甘やかされていた上、ボクの側にも大いに非があったとは言え、さすがにいるだけで疲れてしまうような家に住むことには耐えかねたので…。

そうしてボクは、大学の近くの物件を検索し(家賃6万円以下かつ駅徒歩2分以内などというふざけた条件)、その翌日にはアパートの申し込みをしたのでした。

ここで問題になったのが、お金でした。
先述の通りまったくお金のたまらない生活をしていたボクには当然、貯金がまったくありません。
その上、経緯が経緯なので、家族にお金を出してくれるよう頼むわけにもいきません。
でも、申し込みをしてしまった以上、すぐにでも20万円近いお金を用意しなければなりません。

そこで手を出したのが、三菱UFJ銀行(当時は三菱東京UFJ銀行)のカードローン「バンクイック」でした。
バンクイックは本当に素晴らしい!
借金デビューのボクにとって、怖いイメージの強い消費者金融と違ってクリーンなイメージの銀行系カードローン。
50万円までなら、申し込めば即日でカードが発行されお金を借りることができてしまう(※当時の話。今はムリです!)テレビ窓口。
ボクにとっては、まさに、いま欲しいものそのものでした。

悪いことに、ボクの勤めている会社は、(中の人は少子高齢化でそのうちつぶれると思っているものの客観的には)とても安定している大企業なので、審査は激ユルでした。
しかも、社会人デビューから半年のボクは、漠然と「今はお金がなくても、そのうち給料が上がって20万円程度の借金はカンタンに返せるだろう」などと思っていました。
(本題とはズレますが、同様の発想で、手続きの面倒くささから、大学時代の国民年金はすべて母に建て替えてもらっていました。「将来お金に余裕ができたら返すよ」と。このため、実は当ブログのメイン借金たる「2,589,055円」とは別に「+830,460円の借金」が存在します。なお、「お金に余裕ができた将来」はまだ来ていないので、今のところ返済義務はないと考えています笑←もちろん、いつか必ず返しますよ!)

こうしてボクは、労せずして即日20万円を手にしました。
「いい会社」に入れば、20万円なんて蛇口の水より簡単に出てくる。
そんな悪いことを学習してしまったのでした。
(水道関係の皆さまには失礼な表現でごめんなさい。水が簡単に出るのは皆さまのご尽力の賜物です。いつも本当にありがとうございます。)

そんな「簡単に」手に入った20万円で、ボクは、無事新居を、自由を手に入れたのでした。
幸いボクにはとても協力的な友人たちがいたので、高額な引っ越し業者を利用することなく、レンタカー代と友人たちの食事代程度の額で、引っ越しをすることができました。

以上が、ボクが借金を始めたきっかけのお話でした。
お読みいただき、ありがとうございました。

つづく

イラスト: 「いらすとや」さま